ジーナ式ネントレ(1y~)

ジーナ式1歳以降トドラー編【1章:12~24ヶ月】 イザベラ18ヶ月

イザベラは1歳まではとても満たされていました。
明るく笑顔で、よく食べ、よく寝る子でした。
イザベラは、4歳と6歳の二人のお姉ちゃんがいて、家族から愛されていました。
1歳半まで、彼女は3人の中で最も育てやすく愛される子で、2人のお姉ちゃんも両親も、イザベラが大好きでした。

18か月になったとき、イザベラがお姉ちゃんたちをたたくようになりました。
イザベラはとても幸せな子でしたが、お姉ちゃんたちの気を引きたいとき、彼女たちをたたくことで訴える傾向にありました。
お姉ちゃんたちは優しいので、一度もやり返すことはありませんでした。
このあとすぐ、イザベラは両親をたたくようになりました。
お母さんがイザベラを抱きしめてキスしようとするために抱き上げると、イザベラは両方の手で、拍手するようにお母さんのほほをたたきました。

お母さんは子どもがたたくというトラブルが初めてでした。
2人のお姉ちゃんのときにはこんなことはなかったし、今まで他人の子どもがたたいているのを見ると、親がしっかり教育していないからだと思っていたので、お母さんは困惑しました。
お母さんは一度もこどもたちをたたいたことはありませんでしたが、2人のお姉ちゃんが1歳を過ぎたころ、何度もいたずらをしたとき、「いたずらの階段」に座らせたことはごくたまにありました。
お母さんは、イザベラには「いたずらの階段」は効果がないことにすぐ気が付きました。ゲームをするように、お姉ちゃんたちをたたいて、いたずらの階段に走って、罰を楽しんでいました。

イザベラが他の子どもをたたき始めたとき、お母さんは私にアドバイスを求めてきました。
お母さんは、最初の数回、イザベラがお姉ちゃんたちをたたいた時、家族は赤ちゃんの気まぐれな遊びだと穏やかに面白がっていたと認識しました。
また彼女は、末っ子で、家族からとても愛されている赤ちゃんで、家族はイザベラに甘く寛容で、真面目なお堅い子になるよりは、活気のある子になってほしいとおもっていたことも認識しました。

幼児の行動としてよくないと認識し、お母さんはイザベラがたたくのを注意しましたが、イザベラはもっと喜んでいるようでした。
お母さんはお姉ちゃんたちが、妹に親切にしたり忍耐強く接しているとき、このことをお姉ちゃんたちが我慢しなければいけないことを不公平だと感じていました。
私とお母さんは、イザベラが愛され、注目の的だったこと、たたくことによってすぐみんなの気を引くことができるということに気づいた賢い子という事実を話し合いました。
私もお母さんも、たたくことは間違っていると教えるために子供をたたくこことは不適切だと感じていて、イザベラのお母さんにはたたくことに頼らないようにアドバイスしました。

私がした最初のアドバイスは、次回イザベラが、お母さんやお姉ちゃんたちをたたいた時、家族全員が「イザベラ!だめ!」と目を合わせずに言うことです。
これは、ゲームではなく、イザベラのいたずらは注意を引くことができないということを明確にするために重要でした。
次に、イザベラがおねえちゃんたちをたたくことを未然に防ぐよう勧めました。
イザベラがたたいた時、もしお姉ちゃんが床に寝ていたら、私は彼女にすぐにお姉ちゃんが椅子に座るかベッドルームに行くか、彼女の手の届かないところにいくということです。
同じように、もしイザベラが、お母さんが彼女を抱きしめているときにお母さんをたたいたら、お母さんは彼女を下ろしてすぐに彼女から離れて他のものに興味を示す、ということです。
1週間後に、家族の新しい反応はいい効果をもたらしました。
イザベラはまだ時々家族をたたきますが、それがいい反応にならないことに気づき、少しずつ減り、弱くなっていきました。

最後に、私は、彼女が何度も悪いことをしたら、彼女をベッドに連れていくことを提案しました。
お母さんはイザベラはベッドに行くのが楽しく、いつもベッドに寝ころんで遊ぶのが大好きだったので、この提案が効果が出るかを心配していました。

しかし、私は1回か2回ベッドに連れていくことは必要で心配する必要がある可能性は低い、だから彼女のいい睡眠には問題がないと安心させました。
次にイザベラがお姉ちゃんをたたいたとき、イザベラのお母さんは彼女をベッドに入れて、数分彼女から離れました。
イザベラは驚いて慌てました。
彼女はお姉ちゃんをたたいたことが原因だと理解し「ごめんなさい(赤ちゃん言葉で)」と泣いて叫び始めました。
お母さんは彼女を抱きしめ、お姉ちゃんにキスをするように言いました。

イザベラは今2歳近くで、家族や友達を2か月以上たたいていません。
彼女は明るく、愛らしい女の子で、姉妹や家族、友達をたたいたという話で損なわれることはもうありません。