ジーナ式ネントレ(1y~)

ジーナ式1歳以降トドラー編【1章:12~24ヶ月】行動(癇癪や攻撃)

「行動」(behaviour)というタイトルでしたが、内容は「癇癪」(tantrums)についてでした。
日本人もイギリス人もイヤイヤ期は一緒なんだなと感じました。
癇癪を起して泣くときの対策は参考になりました!

追記(2021年7月)
2020年1月に、ついに1歳以降のジーナ式ネントレの翻訳本が発売されました!
一人目が1歳の時から読みたかった。。

「行動」(behaviour)

歩くこと、話すこと、着替えること、食べることが、1歳から2歳までの間に子どもが学ばなければいけないスキルです。
しかし、他にも毎日たくさんのハードルがあり、子どもがうまくできなくてストレスがたまる時間があるのは避けられません。
システムに負荷がかかって電気回路がヒューズが飛ぶように、子どももストレスや怒りで、子どもの感情に負荷がかかってヒューズが飛びます。
これが癇癪です。
癇癪は通常の子どもの発達の一部です。
癇癪は、子どもがうまくできないことを訴える親とのコミュニケーションの方法です。

①癇癪(tantrums)

1歳の誕生日あたりから、難しい行動や癇癪がしばしばあらわれはじめます。
これは、ほとんどの子どもが歩き始める時と同じ時期に起こります。

癇癪は2歳の誕生日あたりにピークを迎えます。(なので、魔の2歳児と呼ばれます。)

そして、3歳の誕生日までに癇癪は減っていきます。

子どもの本格的な癇癪は、ヒステリックに大声を出したり叫んだしするでしょう。そして部屋や床にモノを投げ、可能な限り蹴り飛ばすでしょう。
このようなひどい癇癪は、子どもや親に強いストレスを与えます。
そしていつもこのような癇癪が起きるという事態を防ぐ必要があります。
子どもがたくさんの新しい技術をマスターする重大な局面である発達段階の間、子どもはとてもストレスが溜まることがあります。
なので、子どもが爆発することがなくなるように、社会活動や睡眠が注意深く管理されていることが重要です。

私の経験からすると、疲れすぎている子どもは、活動や睡眠を注意深く管理されている子どもよりも、もっとひどい癇癪を起すようになります。
ケアするより防止するほうが大切です。
そして癇癪の原因の一部を理解していることが、これからの長い期間の子どもの成長のためになるでしょう。
以下は、癇癪を起す不満の原因主なものです。

  • 子どもは、言われたことの事実上すべてを理解する心の容量はもっているが、どのように感じているか、本当はなにが欲しいかを過不足なく伝えるコミュニケーション力がまだない。
  • もっと一人でできるようになりたいという子どもの願いが、こどもの容量を超えた挑戦をする気にさせる。
  • 子どもはお腹がすいている分だけしか食べない。親が食べさせたいもう1杯分のスプーンを強要することが、子どもの癇癪を引き出す。
  • 新しいおもちゃを持ちすぎている子どもや、多くのビデオを見すぎている子ども、多くの習い事をしている子どもは、すべての時間が楽しくないと、想像することをやめて、すぐに飽きるようになる。すぐに楽しいことがないと、退屈になってすぐに癇癪を引き起こす。
  • 子どもを連れての長時間の買い物は、最後にいつも大泣きで終わる。もし可能であれば、大きい買い物のときは、2,3時間友達に子供を見ていてもらうべき。これは後日お返しをしましょう。
  • 「ダメ」という前に、2回考えましょう。この言葉を使いすぎると、本当にダメな時に効果が薄れる。
  • 両親は同じルールで接するべき。そうでないと子どもは、何がしてもいい行動で、何がしてはいけない行動か混乱する。
「同じルールで接するべき」という言葉を見て自分の対応を見直しました。下の子はまだ1歳だから食べながら歩くことを黙認してしまっていましたが、上の子には厳しく注意していました。確かにこの態度では子どもが混乱すると思い、下の子にも食べながら歩いたときは注意するようにしました。毅然とした態度で1歳の子が食べ物を持って歩いているときに「座って」というと、その場で座るようになりました。

癇癪の扱い方

子どもの癇癪を引き起こす主な原因を知っておくことは、手に負えなくなる前に、そして悪い習慣になる前に、両親が癇癪をさせないようにする助けになるでしょう。

しかし怒ったり、やきもちを焼いたり、怖がったり、ストレスがたまりすぎて、すぐに癇癪をおこしたら、この方法で子どもが内側に感じている混乱を表現していることに気付けるでしょう。

子どもはあなたをイライラさせようとしたり、わざと困らせようとしたり、罰しようとしているわけではないのです。

彼の年齢と癇癪の理由によって扱い方が異なりますが、罰したりほめたりしないことが大切です。

以下は、子どもの癇癪を扱うときにあなたを助けてくれるガイドラインです。

  • 気分転換:大半の親は気分転換が最も癇癪を抑える最高の方法だと知っています。癇癪が起こり始めたころで、子どもが発狂する前に効果的です。以下の3つの気分転換は私が見つけた最も効果的な気分転換です。
    • 大半の子どもは水で遊ぶのが大好きなので、子どものコップやプラスチックのお皿を洗わせましょう。もし食事の時間が近かったら子どもに野菜や果物を洗うのを手伝ってもらいましょう。暖かい日は庭での水やりを手伝わせることを提案します。
    • 子どもがかんしゃくを起こしそうになったら、小さい風船やパーティーの帽子、ポンポン音のするおもちゃ、シャボン玉を渡しましょう。このころの子どもにとって、これらを持つことは楽しいことです。
    •  クッキー生地を冷凍しておいて、子どもが癇癪を起した時に解凍する親もいます。生地をたたいたり練ったりすることは、ストレスの解消になります。
  • 時間制限:気分転換が失敗して、子どもが癇癪を起したとき、気分転換の次に最も使われる方法が時間制限です。祖父母や友達の前で、短い時間、ベッドに連れていきドアを閉めることは、子どもを扱うには特に効果がある方法です。
  • 抱きしめる時間:子どもを抱きしめて、落ち着いたトーンで彼らが落ち着くまで抱きしめて話しかけることが有効だという親もいます。私の経験では、これは子どもがそこまで強く癇癪を起しておらず、簡単に子どもを抱きしめることができて、意固地になっていない子供の場合に限り有効だと思います。
  • 注意をそらす:癇癪を起している子どもに対して、ほっておいて、無視することが一番いい方法と信じている親もいます。もし必要があれば、ほかの部屋に行き、子どもは注意を引くことができないと気付かせましょう。私は時々この方法が有効なところを見かけますが、それは台所から子どもの安全な部屋が見渡せる家に住んでいる幸運な家庭だけです。子どもを無視することに挑戦することはやる価値がありますが、離れても子どもが安全であるということが重要です。

②攻撃的な行動(aggressive behaviour)

大半の幼児は、たたいたり、蹴ったり、かんだり、叫んだりのような攻撃的な行動を時々とります。私の経験からすると、攻撃的な行動をする幼児はたいてい、不安定な状態になっているときです。

急に新しい赤ちゃんがきて両親の気を引きたい時や、友達とおもちゃを取り合っているときなど、怒りや嫉妬の感情が現れます。

おもちゃを他の子と一緒に遊ぶということをまだ知らない幼児は、蹴ることで取り返そうとします。新しい赤ちゃんに授乳しているお母さんは、無視されたと感じた幼児から突然かまれることがあるかもしれません。

赤ちゃんのほっぺを優しくたたいていた幼児が、最終的にひどい傷をつけることになるかもしれません。

すべての衝動的な攻撃は意図的ですが、幼児は計画的ではなく、まだどうしてこのようなことを自分がしたのか理解していません。

両親だけに向けられる癇癪とは違い、攻撃的な行動は幼児が脅威に感じた誰にでも向けられます。

気を引くために攻撃的な行動をすることが習慣になっている幼児は、すぐに他の両親や子供に嫌われるでしょう。

もしあなたがあなたの子どもの攻撃的な行動が兄弟の競争が原因んだと思ったら、6章を参考にしてください。

以下のガイドラインは、幼児の攻撃的な行動をどう対処するかを提案したものです。

  • 幼児は攻撃的な行動は受け入れられないということを理解しないといけない。したがって、たたくことによって、またもっと悪いことに、ほかの本で提案されているかみ返すことによって問題を解決しようとすることは愚かなことです。
  • もし幼児が攻撃的な行動をおこしたら、すぐに違うところに連れていき、かむこと、たたくことなどは許されることではないと端的にしっかりと説明する。「悪い」や「いたずら」などの言葉は、子どもを不安にさせるだけなので避けましょう。
  • 幼児がいい行動をとったことに、たくさんの励ましと称賛を強く伝えましょう。幼児が赤ちゃんや他の子どもと一緒にいるときはさらに協調しましょう。
  • 幼児がグループで遊んでいたり、急に幼児の注意がそれたとき、イライラしたサインを見せ始めたら注意しましょう。
  • 幼児は、赤ちゃんと一緒に2,3分でも決して目を離してはいけません。子どもたちが一緒にいるときは、すべてをしっかりとみておきましょう。

次に紹介するイザベラのケースは、何年もの間、何度も目にした事例を説明しています。これは、攻撃的な行動からくる癇癪を解決する方法を説明しています。

イザベラ、18か月